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WHY WE BUILT THIS

思考を分断するツールに、ずっと違和感があった

WeProcess は、ひとつの違和感から始まりました。

ツールを5つ使い分ける「優秀さ」の正体

QA エンジニアとして、SES で 100 社以上の現場に入ってきました。業種も規模も、使っているツールもバラバラです。それでもどこへ行っても、同じ光景がありました。

ホワイトボードで出したアイデアを、会議が終わると誰かがカンバンに手で書き写している。マインドマップで整理した構造が、タスク管理に反映されないまま放置されている。「あのアイデアどこに書いたっけ」と、3つのツールを行き来する時間が生まれている。

ブレスト、タスク管理、構造整理、ドキュメント。どれも良いツールです。問題は、その間を人が手で運んでいたことでした。そしてその手作業は、どの見積りにも入っていませんでした。

いつのまにかツールを管理すること自体が業務になり、5つを器用に使い分けられる人が「仕事ができる人」と呼ばれていました。でもそれは優秀さの証明ではなく、ツールの側が仕事を押し付けているだけではないか。その違和感が、ずっと消えませんでした。

「考える」と「実行する」の間にある溝

書き写すときに落ちるのは、時間だけではありません。

マインドマップの「この枝はこういう意図で伸ばした」という背景は、タスクのテキストフィールドには転写されません。優先順位の感覚も、空間的な配置が伝えていたニュアンスも、移した瞬間に消えます。残るのは「やること」のリストだけです。

だから数週間後、リストだけを見た人が「これ、何のためだったっけ」と聞くことになります。そのたびに誰かが記憶をたどって説明し直す。

考えることと、実行すること。本来ひと続きのはずの2つが、ツールの境界で切り離されている。「あの人は管理が下手だ」と人の問題にされていたことの多くは、道具の構造の問題でした。

だから、同じ場所に置いた

WeProcess では、思考を広げる道具と実行を支える仕組みを、同じ場所に置きました。ホワイトボード・カンバン・マインドマップを別々のツールとしてではなく、ひとつの思考空間として扱う。これが最初から変わっていない設計方針です。

始まりは人それぞれです。プロジェクトをつくると、ホワイトボードもタスクボードも最初から両方あります。白紙に広げるところから入る人もいれば、まずタスクを並べて動き出し、途中で立ち止まって構造を描き直す人もいる。順番を決めつけないほうがいい、と思っています。

そのうえで、マインドマップで組み立てた構造は、書き写すことなくタスクへ同期できます。転記という作業そのものを無くすためです。

学んだことの、9割は使われない

ここからは、もうひとつの話です。

人は「わかった」と感じた瞬間に、満足してしまいます。読んで理解することと、現場で使えることの間には大きな隔たりがあるのに。そして学んだことを実際に使うには、毎回それなりの手間がかかります。その小さな先送りが積み重なって、学んだことの大半は使われないまま死蔵されていきます。

もうひとつ厄介なのは、知識を学ぶと無意識に「自分のもの」として抱え込んでしまうことです。抱え込むと、使い回さなくなるし、共有もしなくなる。でも知識は、握りしめている限り価値を生みません。貯め込む「ストック」ではなく、流通して初めて意味を持つ「フロー」に近いものだと思っています。

肩を貸す人がいなければ、誰もその上に立てない

「巨人の肩の上に立つ」という言葉があります。知識とは本来、人から人へ渡っていくことで遠くを見せてくれるものです。

ただ、肩を貸す人がいなければ、誰もその上に立てません。そして現実には、肩を貸す行為に見返りがないことがほとんどです。OSS にコードを出しても、社内勉強会で発表しても、記事を書いても、出した本人に返ってくるものは多くありません。だから「出しても報われないなら、出さなくていいか」となる。これは怠惰ではなく、きわめて合理的な判断です。

共有されないのは、人の心がけの問題ではなく、共有が報われない構造の問題でした。

だから WeProcess では、自分の進め方をテンプレートとして切り出して公開できるようにしました。良いテンプレートに「いいね」がつくと、作った人にポイントが入ります。そのポイントは換金できます。そして評価した側にもポイントが入ります。良いものを見つけて評価する行為も、同じように貢献だからです。

知識が個人の頭の中で死蔵されず、人から人へ流れ続ける土台をつくる。そこまで含めて、ひとつの場所でつながっているべきだと考えています。

今、WeProcess でできること

誇張せずに書くと、いまのかたちはこうです。

  • プロジェクトをつくると、ホワイトボードとタスクボードが最初から両方ある。どちらから始めても構わない
  • マインドマップで組み立てた構造を、そのままタスクへ一括で同期できる
  • まとめた内容をスライドにして、ナレッジシェアとして共有できる
  • 公開されているテンプレートを、自分のプロジェクトに取り込める

テンプレートの公開と「いいね」は有料プランの機能です。取り込みはどのプランでもできます。ユーザー向けの画面は12言語に対応しています。無料で始められます。

道具の形が変われば、働き方も変わります。書き写すために使っていた時間は、考えることに戻せるはずです。そして誰かが一度考えたことは、二度目からは誰かの出発点になれるはずです。

初出: note「思考を分断するツールに、ずっと違和感があった」note「知見は、なぜ共有されにくいのか。思考のインフラを世の中に届けたい。」